こちらは昨年のアカデミー賞の作品賞を受賞した「ムーンライト」。
そして、こちらは今年観たブラジルの映画「彼の見つめる先に」。
共通点は、同性愛がテーマだということ。
ともに、男性と男性の愛情を描いた作品です。
2つともいい作品なのだろうが、私の中には、なにかひっかかるものがあった・・・。
☆☆☆
おそらく世界中で、差別や偏見が多く残っていることでしょう。
人種差別や性差別、または身分による差別などさまざま。
また、日本人は中国人や韓国人にある種の偏見を持っている人が多いように感じます。
さらに、障害を持った方々に対しての見方なども人によって様々でしょう。
ちなみに、私が塾講師をしていた頃は、生徒は障害を持っている人に対してバカにするような発言を平気でしていました。
思うに精神年齢が低い人ほど、そういう発言が出ていたように感じます。
どこに行っても、いつまでたっても差別や偏見はなくなりそうにありません。
そういう人って本当に幼稚だなぁと思っていたのですが・・・
実は、私にもそういう偏見があることに気づきました。
先にあげた、「ムーン・ライト」や「彼の見つめる先に」の映画、これを観ているときに、どうしても違和感が止まらなかったのです。
男性同士で手をつなぐとか、キスをするとか、そういうシーン
ちょっとまて、それはやめてくれ・・・
正直、そう思って観ていました。
なぜなら、私なら絶対に同性にキスなどしないからです。
だって、ありえないでしょ!?
これが私のホンネです。かなり偏見に満ちた考えだということはわかっています。
実は、自分でこう考えていることがいやだったので、職場の先輩に話をしたのです。
「いろんな差別とか偏見があるけど、同性愛だけはいまいち違和感があるんですよ」
そしたら先輩の答えはこうでした。
肌の色とか障害とか、そういうものは自分ではどうにもできないものだが、同性を愛するというのは自分で選んだ道、だから他のものとは種類がちがう
それを聞いた私の反応
は!? それが偏見なんだよ、アホか!
声には出さなかったけれど、そう思いました。
人は、自分とちがうものを受け入れません。人種のちがい、文化のちがい、ポリシーのちがいをはじめとして、さまざまなものを。
「自分に理解できないもの」を、「まちがったもの」として排除しようとする力が自分の中に働いてしまうのかもしれません。
☆☆☆
結局、私が思ったのは、こういうことでした。
世の中には自分の理解できないこともある。自分とは全く考えが合わない人もいる。
そういう考えやそういう人を排除するのではなく、受け入れるべきだ。
理解はできなくてよい。そういう考えを認めるべきだ。
これが私の答えです。
世の中にあふれる偏見。
たとえば、ゲイやレズのカップルを見たとき、それがふつうで当たり前の風景であるがごとく見ていたいです。
今は残念ながら、まだ自分の中で偏見があるような気がします。
その偏見がなくなったら、私はまたひとつできた人間になると思います。