ロシア映画「ラブレス」
これがまた、心に残った。
登場人物は離婚間近の夫婦で、夫のボリスと妻のジェーニャ。いつも喧嘩ばかり。
ある日、子どもはどちらが引き取るかで口論になる。双方、すでに決まったパートナーがいるため、子どもは邪魔なのだ。
そのやりとりを、たまたま息子が聞いていて、ものすごい表情で泣きじゃくるのであった。
そして、その後、彼は行方不明になる。
警察やボランティアが出動し、一生懸命探すのだが、息子はなかなか見つからない。
さて、どうなるのだろうか・・・
というのがこの話の概要。
(この後、ネタバレありのため注意)
☆☆☆
まず思ったことが
子どもがかわいそう
ということ。
自分の子どもをお荷物だと思ってしまう親。ありえないだろう。
この子どもは、夫婦の犠牲者だ。
愛のない夫婦に、愛情をかけられずに育てられてきたのだろう。
こういう子どもが一番不幸だ。
また、世の中を見ると、お荷物扱いされるのは子どもだけではない。
おじいちゃんやおばあちゃんもそう。障害のある方もそう。病気で動けない方もそう。
人間扱いをされない方々。
本当に不幸だ。
そんな方々が、一定数いるということは否定できない。
☆☆☆
さて、話を戻すが、この夫婦。別れて新しいパートナーと暮らすことになったのだが、幸せを勝ち取っただろうか。
映像を見る限り、幸せそうには感じない。
最初の結婚相手が悪かったのだと思ったのだが、どうやら、ボリスとジェーニャたちそれぞれ自分自身が悪いのだと思う。
自分の幸せだけを考える人に本当の幸せはやってこない
私はそう思う。
自分の心だけを満たすことなどできない。
一緒にいる相手の心を満たそうとすることで、自分の心が満たされるのだ。
幸せになれない人は、「相手に恵まれない」と考える。
幸せになれる人は、「相手を満たそう」と考える。
そんなところだろう。
だから、この映画に出ていた夫婦は、どんなにパートナーを替えようと「ラブレス(愛がない)」のままなのだと思う。
自分の幸せだけをつかもうとする人は、幸せが逃げていくのだ。
映画「ラブレス」を観てそう思った。